礼装用の着物には吉祥文様、有職文様が使われます。初着も立派な礼装ですので大人物と変わらずこれらの文様を中心に作られています。吉祥文様は縁起の良い器物や動植物を描いたものですが几帳もこの吉祥文様に含まれます。ご存知かと思いますが今でいうパーティションのようなもので間仕切りや目隠しに使われた調度品です。
残念ながら几帳自体には特別な意味合いはないようですが、高貴で雅な貴族の暮らしを表す物として男の子、女の子共に登場する柄です。実物の几帳も美しいものが多いですが初着に描かれる几帳もさまざまな模様、色を使い丁寧に描かれています。メイン柄としてはあまり目にしませんが袖やメイン柄の下から裾にかけて、比較的大きめに描かれます。
几帳の柱は角に過度に特殊な装飾加工がしてあり、その面を「几帳面」といいます。細かく丁寧な仕事であることに加え、几帳自体も空間をきっちり区切ることから 性格を表す「几帳面」の語源となりました。この柄を着せると几帳面な子になるのかも…。