江戸時代の火消が持っていた纏(まとい)。もともとは戦国時代、敵味方の目印だったようですが江戸時代に入り戦が無くなり火消が火災現場で使う物になったようです。纏を振り仲間を鼓舞する役目を担っていたようですが、当時の消火は建物を壊して延焼を防ぐものでしたので風向きや風力を纏で測ったり、壊す建物の目印にもなりました。子供に降りかかる災難を治める意味でお宮参り着物に使われてきたようですがメイン柄になることは稀で袖や裾辺りのサブ的な柄です。
しかし実はこの纏、かなり重かったようで振り続けるにはかなりの腕力、体力が必要だったようです。また火の一番近くで、しかも仲間の命運も握っているわけです。纏振りになれるのは強靭な体、統率力、判断力、精神力を持つ者、江戸では花形職業でなかなかの人気があったようです。男の子用初着に登場する意味がここにも感じられますね。