今回の柄はいただいたリクエストの中から宝袋のご紹介です。巾着状の袋には財宝、御守り、香料が入れられ金嚢(きんのう)と呼ぶこともあります。富と財に恵まれるようにと願う柄で、同じような意味合いの柄に分銅(ふんどう)があります。金の重さを量る重りを図案化したもので、これも富を象徴する柄です。
お宮参り着物では圧倒的に男の子用に多く、大なり小なりで必ずと言っていいほど描かれる柄ですが、僅かながら女の子用にも使われます。この宝袋、分銅に既出の蓑、笠、軍配、丁子、小槌などを合わせ宝尽くし文様と言います。それぞれを小さめに描き、寄せ集めて描かれます。福徳を招く縁起の良い柄で宝尽くしは大人物の着物でもおなじみの柄です。