蝶が成長していく様はまさに驚きです。あのイモムシから蛹、そして美しい羽を広げ空を舞う。形や生態を変え変身を繰り返す様は不死不滅を表すとされ、美しい成長を遂げるようにと女の子のお宮参り着物に使われてきました。また、蝶は生涯同じパートナーと過ごすという生態から、“夫婦円満”の象徴とされ婚礼衣装に施されるモチーフにも使用されます。武士の紋章や家紋にもその姿が見られ、戦場でのご加護や長く続いていく家系のシンボルとして男性に愛された柄でもあります。男の子のお宮参り着物には蝶単体ではなく「丸に揚羽蝶」という家紋をデザインして描かれることが多いです。
蝶は比較的目にする機会の多い柄ですが、メインで使われる事はほとんどなく着物の所々に花々と一緒に描かれているのが一般的です。準主役といったところですが、美しい羽があることから創作意欲も湧くのでしょう、比較的大きめに、またそのデザインや色にもさまざまなバリエーションがあり楽しめます。
【過去に扱った蝶柄コレクション】