鷹や兜に次ぐ準主役級の柄で、メインとして背に使われることもありますが、多くは袖や裾に使われ大きめに描かれることの多い柄です。また、既出の宝船に載せられたり、束ね熨斗の中に使われたりと何かと忙しい打出の子小槌。昔話でのその重宝ぶりを考えると絶対持っていたい、持たせたいアイテムと言えますね。
願い事をかなえながら振るとさまざまな物が出てくるとされ、一生物に困らないように、願いが叶うようにとお宮参り着物に使われているようです。また、一寸法師が大きくなって立派な青年になった事から赤ちゃんがすくすくと成長してくれることを願う柄と言われています。
七福神の大黒様も持っている縁起物ではありますが、実は鬼の持ち物でもあります。怠け者の頭を小槌で叩き目を開かせる、または心眼を開くという伝説もあり鬼が持っていることを妙に納得してしまいました。(笑) 人が弱くなった時、喝を入れてくれる貴重なアイテムと言えるでしょう。
打出の小槌は女の子のお宮参り着物にも見られますが、「宝尽くし」という縁起のよい文様の構成柄として、またはデザイン上の空間を埋める小柄として使われますので、男の子ほど大きく描かれることは ほとんどありません。ここ数年、女の子用は友禅調の純古典柄が減っていますので目にする機会も少なくなりましたが、決して男子専用柄というわけではないんですよ。