新年の縁起物として有名な宝船、名前を聞くだけでその姿をイメージできるとてもポピュラーなおめでたい柄です。これは悪い夢を流すという「夢祓えの船」が原型だそうで、積み荷はたくさんの米俵です。時々「獏」という字が帆に書いてありますが、ここからきているのかもしれませんね。一般的にお宮参り着物の宝船には「宝」や「寿」「福」と書いてあることが多いです。
この米俵に加え、各地の宝物、珍品、縁起物が宝船に載せられて行きます。食物としてのお米はその役割と共に、あらゆる物と交換できる貨幣的な力がありました。それを具象化し描かれたと思われますが、宝船をよく見ると珊瑚や金銀、宝石などが見られます。男の子の人生の航海に、この船が併走してくれたら言うことなしですね。
やがてお宝満載の宝船にはあの「七福神」が乗船します。(笑) 一生モノに困らないようにとの願いからお宮参り着物に使われ始めたようですが、七福神それぞれの意味まで考えるとまさに最強とも言えそうな柄ですね。お宮参り着物には七福神乗船前の形が多いですが、これはコストや市場の嗜好によると思われます。